40分間フルコートで戦うスタイルを貫いた伊佐HC(SR渋谷)

B.LEAGUEと月刊バスケットボールがコラボしたスペシャル企画「佐々木クリスのDEEP B.LEAGUE Supported by 月刊バスケットボール」。B.LEAGUEで指揮を執るヘッドコーチ(HC)を迎え、シーズンの振り返りをはじめ、指導者としての哲学、戦術など、リアルなオンコートでの内容から、事前準備やオフの時間の使い方まで、B.LEAGUE公認アナリストの佐々木クリスがDEEPに迫る企画となっている。2020年6月17日に収録、配信が行われた第4回には、サンロッカーズ渋谷で指揮を執る伊佐勉ヘッドコーチが登場し、新加入の選手が多い中で、開幕より順調なスタートを切り天皇杯優勝に導いたコーチングを佐々木クリス氏がDEEPに切り込んだ。
昨シーズンのSR渋谷は、それまでチームの看板選手であったロバート・サクレ選手が引退し、チーム変革を余儀なくされたという。
「サクレ選手が絶対的中心選手だったので、彼を生かすためにインサイドゲームを多く展開していました。引退するということで考え方を変え、よりアップテンポなバスケットをやるべく選手構成を考え、プラスしてハーフコートではなく、フルコートでオフェンスもディフェンスも展開しようと。それに合う選手、外国籍選手も日本選手も集めてもらいました。結果的には大きくスタイルが変わりましたが、サクレ選手の引退によって、自分たちの選手を見たときに一番いい形を選択しました」
と伊佐HCはチームスタイルを大きく変えた。しかし、攻防ともにフルコートでプレーするスタイルは選手の消耗も激しく、選手泣かせのスタイルでもある。
「もともと自分はタイムシェアをやりたいコーチです。さぼらなければ相当きついのですが、(ディフェンスで)プレッシャーが弱くなったら、疲れているサインなので、どんどん交代する。交代してもどうせ変わって出た選手も疲れるので、またコートに送り出すからセーブしなくていいと伝えました。結果的に5分以上プレーはできない。ビッグマン以外は3分、4分くらいで交代しました。それを続けていくうちに交代パターン、試合パターンをみんなが分かってきてくれて、納得はしていないと思いますが、理解はしてくれていたと思います」
そのスタイルを貫いたことで、天皇杯を勝ち取り、中断してしまったBリーグにおいても、来シーズンにつながる戦いができたと振り返った。


〈関連リンク〉
月刊バスケットボール 2020年10月号(インタビュー記事/プレミア・電子書籍会員限定)

全編(Bリーグ公式YouTube)https://youtu.be/iwU8RTacDac